AI顧問に相談したいと思っても、「何を話せばよいかわからない」「資料を作ってからでないと相談できないのでは」と迷う方は少なくありません。
結論から言うと、AI顧問への初回相談で完璧な資料は必要ありません。むしろ、まだ課題が曖昧な段階で相談しても大丈夫です。ただし、最低限の整理をしておくと、相談時間を有効に使いやすくなります。
AI顧問は、AIツールの使い方だけを教える相手ではありません。自社の業務、社員の状況、情報管理の不安、費用対効果を踏まえて「どこから始めるべきか」を一緒に整理する相談相手です。
この記事では、AI顧問の相談前に整理しておくとよいことを、中小企業向けに具体的に解説します。AI顧問の全体像は、AI顧問とは?中小企業が相談できる内容・料金・進め方も参考になります。
AI顧問の相談前に完璧な資料は必要か
AI顧問への相談前に、完璧な資料を用意する必要はありません。
初回相談で大切なのは、きれいな企画書を作ることではなく、今困っていることを言葉にすることです。AI活用を考え始めた段階では、何が課題なのか、どこにAIを使えるのか、どの程度の費用をかけるべきなのかが曖昧で当然です。
たとえば、次のような状態でも相談できます。
- AIを使いたいが、何から始めるべきかわからない
- ChatGPTを社員が使っているようだが、会社として管理できていない
- 業務効率化したいが、どの業務が向いているかわからない
- AI研修を検討しているが、研修だけで定着するか不安
- 情報漏えいが心配で、社内利用に踏み切れない
- BtoBマーケティングや記事制作にAIを使いたい
このような曖昧な相談を整理するのがAI顧問の役割です。逆に、最初から完璧な要件定義ができているなら、開発会社やDXコンサルに直接相談した方が早い場合もあります。
相談先の種類で迷っている場合は、AI顧問とAI研修・DXコンサルの違いも確認しておくと判断しやすくなります。
相談前に用意しなくてよいもの
初回相談前に、詳細な要件定義書、ツール比較表、投資対効果の試算、全社の業務フロー図を用意する必要はありません。これらは相談しながら整理すれば十分です。
むしろ、最初から資料を作り込みすぎると、現場の実態よりも資料の完成度を優先してしまうことがあります。初回相談では、困っている業務、不安なこと、今使っているツールを素直に話せる状態の方が役立ちます。
まず整理したいのはAI活用の目的
AI顧問に相談する前に、最初に整理したいのは「何のためにAIを使いたいのか」です。
目的が曖昧なままだと、相談内容がツール紹介で終わりやすくなります。AIツールは数多くありますが、目的が決まっていなければ、どれを選んでも社内で使われにくくなります。
目的は、最初から細かく決める必要はありません。次のような大まかな方向性で十分です。
| 目的 | 具体例 |
|---|---|
| 時間を減らしたい | 議事録、メール、資料作成、問い合わせ対応を短縮したい |
| 品質を安定させたい | 提案書、営業資料、記事、マニュアルの品質をそろえたい |
| 属人化を減らしたい | 特定社員しかできない作業を整理したい |
| 社員に使ってほしい | AIの使い方を社内に広げたい |
| 売上につなげたい | 営業準備、マーケティング、リード獲得に使いたい |
| リスクを下げたい | 情報漏えいや誤情報を避けながら使いたい |
相談前には、「とにかくAIを使いたい」ではなく、「このあたりの業務を楽にしたい」「この不安を解消したい」という表現まで整理できれば十分です。
会社でAI活用を始める順番は、会社でAI活用は何から始める?中小企業向けに手順を解説でも詳しく解説しています。
目的を1文にする
相談前には、AI活用の目的を1文にしてみると整理しやすくなります。「AIで効率化したい」ではなく、「毎週の議事録作成時間を減らしたい」「問い合わせ回答の品質をそろえたい」のように書きます。
1文にできない場合は、まだ目的が曖昧な状態です。そのまま相談しても問題ありませんが、相談時には「目的を一緒に整理したい」と伝えると、AI顧問側も業務選定から話を始めやすくなります。
時間がかかっている業務を洗い出す
AI顧問への相談では、時間がかかっている業務を具体的に出せると話が早く進みます。
AI活用は、派手なシステム開発から始める必要はありません。中小企業では、日常的に繰り返している文章作成、情報整理、確認作業から始める方が成果を感じやすくなります。
相談前に、次のような業務を書き出してみてください。
- 毎週発生している会議の議事録作成
- 顧客へのメール返信や案内文作成
- 営業資料や提案書のたたき台作成
- 問い合わせ内容の分類や回答案作成
- 社内マニュアルや手順書の更新
- 採用広報やSNS投稿の下書き
- SEO記事やコラムの構成案作成
- Excelやスプレッドシートの確認観点整理
ここで重要なのは、AIで全部自動化できるかどうかを自分で判断しないことです。まずは「時間がかかっている」「面倒だと感じている」「品質にばらつきがある」業務を出すだけで構いません。
AIで効率化しやすい仕事を知りたい場合は、AIでできることを仕事別に解説。中小企業で使いやすい業務一覧が参考になります。
業務は完璧に分類しなくてよい
業務の洗い出しでは、最初からきれいに分類する必要はありません。「月末の請求確認が重い」「営業資料を作るのに時間がかかる」「問い合わせ返信が属人化している」のようなメモで十分です。
AI顧問との相談では、そのメモをもとに、AIで下書きや整理ができる業務、人が判断すべき業務、社内ルールを先に作るべき業務に分けていきます。雑なメモでも、実際の困りごとが書かれていれば相談の材料になります。
社内で使っているツールを確認する
相談前には、社内で使っているツールや情報の保管場所も簡単に確認しておきましょう。
AI活用の進め方は、すでに使っているツールによって変わります。Google Workspace、Microsoft 365、Slack、Chatwork、Notion、kintone、社内ファイルサーバーなど、会社ごとに仕事の流れは違います。
たとえば、Googleドキュメントで議事録を作っている会社と、Wordファイルをメールで回している会社では、AIの使い方も変わります。問い合わせ対応をスプレッドシートで管理している会社と、専用のCRMを使っている会社でも、現実的な進め方は異なります。
相談前に確認したい項目は次の通りです。
| 確認項目 | 例 |
|---|---|
| 文書作成 | Googleドキュメント、Word、Notion |
| 表計算 | Excel、Googleスプレッドシート |
| コミュニケーション | Slack、Chatwork、Teams、メール |
| 顧客管理 | CRM、スプレッドシート、紙の台帳 |
| ファイル管理 | Google Drive、OneDrive、社内サーバー |
| すでに使っているAI | ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeなど |
ツール名が正確でなくても構いません。普段どこで情報を作り、どこに保存し、誰が確認しているかを話せるだけで、AI顧問は現実的な提案をしやすくなります。
情報の流れを話せるようにする
AI活用では、ツール名そのものより、情報がどこから来て、どこで加工され、誰が確認しているかが重要です。たとえば、問い合わせがメールで届き、スプレッドシートに転記され、担当者が返信する、という流れがわかるだけでも相談は具体化します。
情報の流れがわかれば、AIを入れる場所も見えます。返信文の下書きに使うのか、問い合わせ分類に使うのか、FAQ作成に使うのかを判断しやすくなります。
不安なことを先に書き出す
AI顧問への相談では、やりたいことだけでなく、不安なことも先に伝えるべきです。
AI活用では、情報漏えい、個人情報、著作権、誤情報、社員の使いすぎ、費用対効果など、経営者が不安に感じる点が多くあります。この不安を曖昧にしたまま進めると、社内で使いにくくなります。
よくある不安は次の通りです。
- 顧客情報や個人情報を入力してしまわないか
- ChatGPTの回答を社員がそのまま使ってしまわないか
- 間違った情報で顧客に迷惑をかけないか
- 社員が勝手に有料ツールを契約しないか
- どこまでをAIに任せてよいかわからない
- AIで作った文章の著作権や責任が不安
- 経営者自身がITに詳しくなく、判断できるか不安
このような不安は、相談時に遠慮せず伝えた方がよいです。AI顧問は、不安を解消しながら使い方とルールを設計する役割も持っています。
会社でChatGPTを使うときの注意点は、会社でChatGPTを使うときのセキュリティ注意点も参考になります。
不安は優先順位づけに使える
不安を書き出すことは、AI活用を止めるためではありません。どの順番でルールや運用を整えるべきかを決める材料になります。
たとえば、情報漏えいが最も不安なら、最初に入力禁止情報と利用範囲を決めます。社員が使ってくれるか不安なら、業務別プロンプト例と成功事例の共有を優先します。不安の種類によって、初回相談で話すべき内容は変わります。
相談したい範囲を決める
AI顧問に相談する前に、どこまで支援してほしいかを大まかに考えておくと、料金や進め方を判断しやすくなります。
AI顧問といっても、サービスによって含まれる範囲は違います。月1回の壁打ちが中心のものもあれば、社内ルール作成、プロンプトテンプレート、社員向け説明、記事制作支援まで含むものもあります。
相談前に、次のどの範囲を求めているかを考えてみてください。
| 支援範囲 | 相談内容の例 |
|---|---|
| 壁打ち | 経営者がAI活用の方向性を相談したい |
| 業務整理 | AIで効率化できる業務を一緒に選びたい |
| 社内ルール | 入力禁止情報、確認フロー、利用範囲を決めたい |
| 社員教育 | 社員に使い方や注意点を伝えたい |
| 実務支援 | プロンプト、記事構成、資料改善まで相談したい |
| ツール選定 | ChatGPT、Gemini、Copilotなどの選び方を相談したい |
相談範囲が明確になると、月5万円程度の顧問で足りるのか、より広い支援が必要なのかを判断しやすくなります。
料金や支援範囲を知りたい場合は、月5万円のAI顧問で相談できること。料金と支援範囲を解説も確認してください。
社内の関係者を整理する
AI活用は、経営者だけでも現場担当者だけでも進みにくいため、関係者を整理しておくことが重要です。
中小企業では、AI活用の担当者が明確に決まっていないことがよくあります。経営者が関心を持っていても、実際に使うのは社員です。現場担当者が個人的に使っていても、会社としてルールがなければ広げにくくなります。
相談前に、次の関係者を考えておくとよいです。
- 最終判断をする人
- 実際にAIを使う人
- 社内ルールを確認する人
- 顧客情報や個人情報の扱いを判断する人
- 成果を確認する人
- 社員に使い方を伝える人
すべてを決めておく必要はありません。ただ、AI顧問との相談で「誰が決めるのか」「誰が使うのか」が見えていると、実行計画に落とし込みやすくなります。
社員に使ってもらう前に決めることは、AIの社内での使い方。社員に使ってもらう前に決めることでも解説しています。
初回相談で聞くべき質問
初回相談では、AI顧問が何をしてくれるかだけでなく、自社が次に何をすべきかを確認しましょう。
相談先の説明を聞くだけで終わると、自社に合うか判断しにくくなります。初回相談では、具体的な質問を用意しておくと、相手の得意領域や支援姿勢が見えやすくなります。
おすすめの質問は次の通りです。
- 当社の状況なら、最初にどの業務から試すべきですか?
- ChatGPTや生成AIを社内で使う場合、最初に決めるルールは何ですか?
- 月額顧問の範囲で、どこまで相談できますか?
- 研修、ツール導入、資料作成は別費用ですか?
- 成果が出やすい会社と出にくい会社の違いは何ですか?
- 初回相談後、最初の1か月は何をするのがよいですか?
- 自社のような中小企業では、どんな失敗が多いですか?
質問への答えが具体的で、自社の業務に引き寄せて説明してくれる相手であれば、相談しやすい可能性があります。反対に、ツール名や一般論だけで終わる場合は、実務への落とし込みが弱いかもしれません。
相談前チェックリスト
AI顧問に相談する前は、次のチェックリストを埋めるだけで十分です。
すべてを完璧に書く必要はありません。空欄があっても相談できます。
| 項目 | メモする内容 |
|---|---|
| AIを使いたい理由 | 時間削減、品質改善、社員教育、売上支援など |
| 困っている業務 | 議事録、メール、資料作成、問い合わせ対応など |
| 発生頻度 | 毎日、毎週、毎月、繁忙期だけなど |
| 現在の進め方 | 誰が、どのツールで、どのくらい時間をかけているか |
| 不安なこと | 情報漏えい、誤情報、費用、社員の抵抗感など |
| 使っているツール | Google Workspace、Microsoft 365、ChatGPTなど |
| 関係者 | 経営者、管理職、担当者、確認者など |
| 相談したい範囲 | 壁打ち、業務整理、社内ルール、研修、実務支援など |
このメモがあれば、初回相談で「何から始めるべきか」「どの支援範囲が合うか」「費用感はどの程度か」を話しやすくなります。
相談後にやるべきこと
AI顧問に相談した後は、聞いた内容を社内で実行するための小さな一歩に分解することが大切です。
相談して終わりにすると、AI活用は進みません。初回相談の後は、次のように整理すると実行につながりやすくなります。
- 相談で出た候補業務を3つ以内に絞る
- 最初に試す業務を1つ決める
- その業務でAIに任せる部分と人が確認する部分を分ける
- 入力してはいけない情報を決める
- 1週間から2週間で小さく試す
- 結果を見て、続けるか改善するか判断する
大切なのは、相談内容を大きな計画にしすぎないことです。最初は、1つの会議の議事録、1種類のメール文面、1つの営業資料など、範囲を小さくした方が成果を確認しやすくなります。
小さく試した結果をもとに、AI顧問と次の相談をすれば、より実務に合った改善ができます。
次回相談までの宿題を決める
相談後は、次回までに何を確認するかを決めておくと前に進みます。たとえば、対象業務の作業時間を測る、社員に困っている業務を聞く、入力禁止情報のたたき台を作る、1つのプロンプトを試す、といった小さな宿題です。
AI顧問は継続相談で効果が出やすい支援です。相談のたびに小さな宿題を決め、次回に結果を見直すことで、抽象的なAI活用が実務の改善に変わっていきます。
まとめ
AI顧問に相談する前は、完璧な資料よりも、目的、困っている業務、不安、社内体制を簡単に整理することが重要です。
AI活用は、ツールを選べば終わりではありません。どの業務に使うか、どこまでAIに任せるか、誰が確認するか、社員にどう使ってもらうかを決める必要があります。
初回相談では、曖昧な悩みをそのまま話して構いません。ただし、時間がかかっている業務、不安なこと、使っているツール、相談したい範囲をメモしておくと、具体的な提案につながりやすくなります。
自社の状況を整理しながらAI活用の第一歩を決めたい場合は、AI顧問ハカドルくんの無料相談で、相談前の整理から一緒に進められます。